自動車向けの半導体生産で世界第三位のルネサスエレクトロニクス那珂工場の火災は、自動車業界に大変な損害を与えそうですね。
今の自動車って、コンピューターチップが大量に組み込まれていて、何でもかんでもコンピュータで制御されてますから。
ルネサスの代替品の確保は困難
火災があったのが、直径300ミリウェハーの製造ライン。
自動車メーカーとしては、代替品を確保することはとっても難しいんですよ。
なんせ、命を乗せて走る車のコンピュータは、安全性が第一。
膨大な時間をかけて仕様を細かく決められている半導体は、実は各自動車メーカーごとに調整されていて、他社製品で代替しますってのはまあ無理。
もし代替品にしちゃったら、同じ車種でも全く違う性能になっちゃうでしょ?
メーカーや車種によって、例えば燃料の噴出量とかバルブタイミングとか、安全装置が働くタイミングとかが決まってるから、ルネサス製の半導体はそれらを細かく決めていたものが採用されていましたから。
一応、台湾TSMCへ委託生産も行ってはいるようですが、まだ完璧じゃないみたいだからあまり期待はできない。
ネサスエレクトロニクス那珂工場の火災は、自動車業界に大変な損害を与えそうです。
今の自動車って、コンピューターチップが大量に組み込まれていて、何でもかんでもコンピュータで制御されてますから。
確かにそのおかげで安全・安心で高性能な車が次々と生まれているわけですが、ちょっとした不具合があったり、生産途中で歯車が狂っただけでも、全体が大きく揺らぐようになってしまうようです。
今の時代、車も高性能で便利になったとはいえ、数万点ともいわれる自動車部品のたった一つに不具合があったらもう全体が止まっちゃう、そんな弱さも持ち合わせていると思います。
自動車メーカーは減産、納車待ちの車はどうなる?
ルネサスの火災を受けて、トヨタ・ホンダ・ニッサンの3社だけでも165万台が減産となるみたいですね。
今、新車を注文していて納車待ちの人は、更に納期が延びる可能性があるのですが、納車待ちの分だけでも在庫で何とかしてほしい、と皆さん願っているんじゃないでしょうか。
ただ各メーカー、半導体の在庫もそんなに潤沢にあるわけじゃないみたいですから、ルネサスの復旧時期次第では、さらなる納期の延長も覚悟しなくちゃいけないかもしれないです。
一か所に頼る危険性
これは自動車部品だけじゃなく、いろんな事に当てはまるわけです。
去年、中国で発生した新型コロナウイルスだって、中国にマスク製造をほとんど頼っていたから、中国が
「我が国で使うから、他国への輸出しません!」
ってなった時、日本中がパニクったじゃないですか。
その国とか地方でしか作れない産物ならともかく、どこでも作れるはずのマスクでさえ、一国だけに頼っていたために大ごとになったわけで。
一か所に大きく頼っていると、そこが何かあった時にてんやわんやになります。
いざという時に代替ができるよう、複数個所を自分の取引先として持っておく事も必要でしょうね。
まあでも、半導体のような精密技術を必要とするものは、なかなか工場が乱立してるわけじゃあるまいし、複数の取引先を確保するなんてのは難しい事なのかもしれませんね。
ルネサスエレクトロニクス那珂工場って、東日本大震災の時にもかなりの被害受けて、復帰まで1年はかかるって言われてたけど、トヨタとかが全面バックアップして、みごと3か月で復活した経緯があるんです。
今回の火災でも、自動車メーカーや経済産業省が全面バックアップするはずですが、火災の原因を徹底的に調べておかないと、また同じ事が起きちゃったら元も子もないですからね。
日本の工業製品として世界に誇れる自動車産業ですが、その自動車の部品メーカーに何かあったら、自動車産業全体が大打撃を食らってしまうなんて、だからこそ慎重にそして大胆に早期復旧を目指してほしいものです。